記録・困ったこと
パパが入院して私達家族は大きな心配や不安と闘っていたが、それでも私達はそれまでと同様日々生活していたわけで、その上で困ったことがいくつかあった。
私は免許がないので、車が必要になった時のことがまずひとつ。
この点については子どもが2人共男の子であるので、送迎も殆ど必要なく、私も電車に乗ることに慣れていたから、それほど気になることではなかった。
近所に住む両親と弟夫婦、私以外みんな免許を持っていたということもある。
それから、家事の中でも重いものと汚れるものは殆ど全部パパがやってくれていたことだ。
資源を分別して収集所まで持って行くことなどもそうで、最初の頃、私はしばし途方に暮れてしまっていた。
でもこれも私が頑張ればいいことで、恥ずかしながら生まれて初めて、資源分別所に資源を分けに行ったのだった。
(自宅内で資源を分けるのは私です)
夏だったのでファンヒーターの灯油入れがなかったから、それは良かった。
だけど。
夏だったからこその、とても大変なことがあった。
お花の水やりだ。
パパのガーデニングについてはずっと記事にも書いて来た。
最近こそ料理にハマりあまり手をかけていないが、それでもたくさんの花と木がある。
さらに今年は野菜まであったから、もう泣きそうだった。
「パパの為にも私達で頑張って水やりをしよう!」と親子で誓ったはいいが、私にはそんな余裕はなかったし、元々苦手分野だったりする。
子ども達は「よし!俺達が!」と威勢が良かったのは初めのうちだけで、熱い(太陽が)重い(ジョーロが)痒い(虫刺されが)やらですっかりトーンダウンしてしまった。
「お父さんはこんなこと毎日やっていたのか、やっぱりお父さんはすごい!」
そう思ってくれたのは良いことだったけど。
それでも3人で何とか手分けしてお水をやっていたのだが、やり方が悪いのか、多分水の量も少なかったのだろう、見る見るうちに枯れて来てしまった。
その頃は猛暑だったし、夕立も降らなかった。
パパのためにも枯らしたくない、自宅に戻った時にパパが喜ぶ顔を見たい、とは思うのだが、子ども達に対しても変にプレッシャーを与えるのも良くないと思うし、どうしよう、と私は頭を抱えてしまったのだった。
ええい、もう仕方ない、パパには謝るしかないなと覚悟を決めた。
花は駅に通じる道路に面しているから、どんどん枯れて行く花を見て、何かあったのかな、と気付く人もいるだろうなあと思いつつ、お花達に対してもパパに対してもごめんねと心の中で毎日言いながら病院と自宅を往復していた。
お隣のおばあちゃんが「私が水をあげたいねえ」と言っていたのだと聞いた。
でも、そのおばあちゃんが「今年はすごく暑いから普通にやっていても枯れてしまったかもしれないねえ」と言っていたと聞いて、少しだけほっとしたりした。
そして、近所に会社の人が住んでいるのだが、その人からは「お花が枯れているのは、お花の命がご主人に移っているからだわ、だからご主人は絶対に元気になるわ、そう私は思っていたのよ」と言っていただいた。
はい、本当に。
パパがいない我が家はとても寂しくて大変なことがたくさんあったけど、パパが帰って来るまで、出来ることを頑張ろうと思っていた。
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