この本を読みました・13
恋しい女/藤田宜永
仕事が出来ないわけではないけれど、仕事では成功はしていなくて、でも、お金もあるし、お洒落でとってもステキな50代の紳士が、20代後半の若い女性を恋しいと思う、というお話です。
彼は、奥さんと死別していて、娘が一人、恋人が2人、悠々自適な暮らしをしていたのだけど、新しく知り合った20代後半の女性に惹かれて行きます。
彼女は、年齢よりもとても幼くて、性的関係を持っても彼はぜんぜん嬉しくないのだけど、だけど、どんどん惹かれて行くという、内容で、今はそういう若者が多い、のだと書かれています。
性の経験は早かったのだけど、それは単なる苦痛でしかなく、その後も性的関係を否定するわけではないのだけれど、性的に未熟な若者という意味だと思うのですが、そういう彼女をセカンドバージンと表現しています。
そんな彼女を、経験豊富な中年男性が性の魅力に目覚めさせていく、ということはなく、会話が上手でもなく、大体において自分本位な彼女なのに、どんどん惹かれて行くわけなのですね。
そういう彼女だから、なのかもしれないのですが。
面白いなあと思ったのは、彼女に初めてメールを送る時、携帯よりパソコンの方がいいかな、とか、文章をどうしようとか、送ったあとの返信を待っている時の感情とか、そんなことが詳しく書かれていて、ふ~ん、おじさんってそういうもなのかなって所でした。
すぐに返信が来ないことについて娘と話すのですが、メールというのは、自分が打ったことで満足するものでもあるから、そういうメールだと思ったら、返信を出さなくてもいいと思うことがある、みたなことが書かれてあって、なるほど、と思ったりしました。
携帯のメールでは、絵文字を使ったりもするのですが、その絵文字が小説の文の中にちゃんと書かれていて、小説でそういうのを読んだ(見た)のは初めてだったから、笑ってしまいました。
藤田氏は奥様も作家で、とっても綺麗な小池真理子さんなのですが、『愛の領分』で直木賞を取られた時にインタビューの記事やらを読んでから、私にとってはちょっと気になる作家さんでした。
今回チカパパが図書館で借りて来てくれたものを読んでいるのですが、すご~く面白くてやめられない、という内容ではないのだけど、何てことない部分があったかと思うと、急にまた興味をそそられる部分があったり、そんな感じで最後まで読み進んで行く、みたいな不思議な小説だなあと思って読んでいます。
ということで、今読んでいるものを含めてしばらくは藤田氏の小説を読んでみようと思っています。
ご夫婦で作家で軽井沢に住んでいらっしゃる、なんて、憧れちゃいますね。
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